超高速コンピュータ網形成プロジェクト
〜National Research Grid Initiative(NAREGI)〜

ナノサイエンス実証研究


■ナノ複合系設計■


●グループリーダー●

寺倉 清之(産業技術総合研究所・研究コーディネーター)
E-mail:k-terakura@aist.go.jp
〒305-8561 茨城県つくば市東1-1-1

●研究目的●
5年間を通しての研究目的

実際に扱われる系ではナノスケールの種々の部品が組み合わせられて、あるいはマクロスケールの基盤との組み合わせで、 何らかの昨日の発現が模索される。 従って、量子細線、量子ドット、相分離型合金系のナノサイズドメイン、などの個々の素材の安定性、 形成過程、および物性の解析を進めるとともに、それらの素材を組み合わせたものや 基盤に埋め込まれた複合系の機能(伝導、光応答、磁性、誘電性、熱的性質、機械的性質など)の予測をする。 それを可能とするための方法論開発、プログラム開発を行う。
 ナノテクで重要なキーワードは量子効果であり、そのためには第一原理電子状態計算では主要な武器である。 ナノテクノロジーで扱う対象は、特に複合系を扱うことを目指すと、非常に複雑であり、 大規模電子状態計算の手法開発は、本グループにおける背景をなす基盤的課題と位置づけている。 しかし、第一原理電子状態計算だけでは現実の問題の解析・予測に対応しきれないことも明らかであり、 必要に応じてフェーズフィールド法などの現象論も、光などによる電子励起は重要な過程である。 熱的な処理では達成されない反応の制御が光による電子励起によって実現されることがあり、 ナノスケールの構造物の形成にも利用される。 また、形成されたナノスケールの構造物の形成にも利用される。 また、形成されたなのスケール構造物の光応答は、機能発現の研究対象である。



●研究内容および研究計画●
5年間を通しての計画

本グループには以下の3つの分担研究課題を設定する。

(1)複合系量子伝導現象のシミュレーション
固定表面に作られたナノスケールの構造物(量子ドット・量子細線)や、 固体表面に担持されたカーボンナノチューブやその他有機分子を利用する伝導現象の第一原理計算による解析・予測を行う。 ソース、ドレイン電極の効果を出来るだけ正確に取り入れ、 ナノスケールでのゲート電極に対する考察を行う。 また、量子細線や量子ドットでの電子相関の効果の解明に取り組む。 なお、伝導特性の計算の対象とする複合系の形成過程の考察、 その構造安定性の解析も必要に応じて行う。
(2)電子励起によるナノ材料の光学応答と反応制御のシミュレーション
ナノ構造物の光励起による光学反応や構造変化の制御に対して、 第一原理電子状態に基づく理論解析・予測を可能とする。 実用上も重要な技術であるが、理論解析はまだまだ開発途上にあり、 多くの基本的な問題の解決が求められる。 本グループでは時間依存密度汎関数(TDDFT)法をこの課題の基盤とする。 基本的な問題としてはTDDFTにおける近似の改良、 非断熱過程の扱い方、電子系と電磁場の複合系扱い、などが研究対象となる。 そうした問題の上に、計算手法の開発があり、 具体的な系への適用研究がある。 具体的な系については、実験研究の推移にも大きく依存することであるので、 当面の問題の関連分担研究計画書の15年度の計画の中で述べる。
(3)ナノ組織化材料のシミュレーション
材料におけるナノスケールの組織形成を統合的に予測・解析するシミュレーション手法の有力候補として phase-field法が急速に進展している。本グループにおいてはphase-field法を中核として、 ナノスケールにおけるモノ作りの実証的な解析・予測・設計のシステムを構築するとともに、 現象論であるphase-field法に第一原理計算による実態を与える。 また、実用を目指して、ナノレベルの現象制御とマクロスケールでの機能発現を関係づける種々の試みを実行する。

研究目的に述べたように、上記の3課題に共通の基盤的計算技術として、 大規模第一原理電子状態計算があり、 この手法の改良・発展は共通課題として想定されている。 計算の効率化を目指してGrid技術を取り入れ、その有効性を実証する。 また、上記の3課題の内容は相互に関連がある。 課題1における量子伝導もまた、電子の励起状態が関与する現象であるため、 課題2とは不可欠のところがある。 課題3ではナノスケール構造物の自己組織化的形成の問題も研究対象とするが、 そうした構造物は量子伝導や光学応答の研究対象となる。 こうした事情から、それぞれの課題に特化した集中的検討が行われると同時に、 グループ全体としての情報の交流が必要である。また「設計」というキーワードに関連して、多くの条件から 最適条件を探索する必要があり、この観点からのGrid技術の有効性を実施する。



●平成17年度業務計画●

 エレクトロニクスおよび材料科学におけるナノスケール複合系の機能(伝導、光応答、磁性など)の予測を 可能とするために開発してきた各種手法(リカージョン伝達法、非平衡グリーン関数法、埋め込み法、 時間依存密度汎関数法、Phase-Filed法、非線形均質化法など)とそれらのプログラムを用いて、大規模計算に よる実証計算を実施する。グリッドMPI、RPC等の利用に取り組み、大規模並列計算、最適設計のための パラメータサーベイなどを行う。

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